「自動車保険」というものをこれまであまり考えていませんでしたが、
車で旅をするようになって自動車保険というものについても今までより深く考える機会がありました。
自動車保険の一番大きな役割は「被害者救済」で、「事故を起こした人のために払われるお金」ではなく「自分が事故を起こされた人のために払われるお金」(国または保険会社が)という事を知りました。
そして「自賠責保険」。海外では自賠責保険で「無制限」としている国もあるようです。
日本の 自賠責保険の上限が3000万円で 一番苦しめられる事になるのは「被害者」だという事でした。
自賠責保険の保険料が今より上がっても、賠償額が現在の「3000万円」でなく「無制限」になるのなら、任意保険に入らなくても問題ない人がほとんどになると思われる。または、任意保険の対人「無制限」の保険に入る人は自賠責保険への加入は免除でも良いのではないかと思います。
詳細は以下の文章にて。
[参照ページ:https://gentosha-go.com/articles/-/20214]
強制保険と任意保険による2段階の賠償システムになっている我が国の交通事故賠償制度だが、強制保険が最低補償であるがゆえに、十分な賠償を得るためには任意保険による賠償が不可欠である。ちなみに死亡事故の場合、自賠責における対人賠償額の上限は3000万円である。しかし実際の賠償額が3000万円以内で収まったのは4割程度といわれている。残りの6割が3000万円を超え、しかも5000万円を超えるのは全体の約2割にも上るのである。死亡事故の半数以上が自賠責の賠償額を超えてしまうのだ。
しかし、いまだに自動車所有者の26.6%が任意保険に未加入である(2014年3月時点)。あなたが万が一交通事故に遭ってしまったとして、およそ4分の1の確率で十分な賠償を受けられないことになるのだ。被害者にとって相手が任意保険に入っているかどうかなど分からないし、選択することなどもちろんできない。
加害者が任意保険に未加入であれば、不足する賠償金は基本的には加害者本人が支払うことになる。しかし5000万円の賠償額だとして、未加入なら2000万円足りない。そんなお金を簡単に支払える人はいない。どんなにひどい後遺症を負ったとしても自賠責以上の賠償がなされないなら、被害者の損害とその無念はどう埋め合わされるのだろうか?
加害者が任意保険に加入していたか否かで、被害者が受ける賠償が左右されてしまうのだ。特に死亡や重度障害などの場合、加害者が任意保険に加入していない場合には、遺族や家族にも悲惨な結果をもたらすことになる。また、被害者だけでなく困難な支払い義務を負った加害者もまた同様に苦しむことになるのだ。
加害者が任意保険に加入していたか否かで、被害者が受ける賠償が左右されてしまう制度設計。これは、自賠責保険を導入した当初は、何より最低補償を整えなければならないという社会的要求に応えるため、やむを得ないことであっただろう。しかし、それから60年もそれを放置し続けたのだ。そこには、交通事故被害は自己責任であり、最低補償を整備しただけで十分であるというような発想が根底にあったとしか思えない。
しかし、賠償を受けることは、被害者の当然の権利である。その当然の権利が、加害者が任意保険に加入しているか否かによって左右されてしまう不平等な状態は一刻も早く解消すべきである。そのために、交通事故賠償は、すべて強制保険によって補償される制度を構築すべきとだと考える。
この点、イギリスやフランス、スウェーデンなどは強制保険でほぼ十分な補償ができるようになっている(イギリスとフランスは強制保険の限度額が無制限である)。しかも多くの国ではその運用を民間の保険会社が行っていることを考えれば、我が国においても決して不可能なことではないはずである。