「甲本ヒロトとのエトセトラ」 というWEBページを偶然見つけ、
現在はクロマニヨンズ(ブルーハーツ→ハイロウズ→クロマニヨンズ)で活躍する「甲本ヒロト」がブルーハーツとしてデビューする前に同じアパートの隣に住んでいた友人の、甲本ヒロト(浩人)との交友の実録なのですが、
すごくリアルで1982年というまさに「昭和」後期の東京の下町(?)の大学生の暮らしぶりも知ることが出来て、
Always 3丁目の夕日に通じるものもあり、結構泣きながら読んでいました。
「甲本ヒロト」と音楽的なつながりではなく、音楽活動については興味もほとんどないという立場で「その当時の暮らし」を主軸に書かれているところが本当にリアルです。

携帯電話もネットも当然ない時代、DVDはもちろん、CDさえもまだ世に出てきていない、VHSというビデオテープがようやく普及し始め、音楽は「レコード」、それをカセットテープに録音できる技術があったのかどうか・・・テレビゲームの歴史の始まりともいえる「ファミコン」もまだ世に出てきていない。
限られた予算で音楽を聴くにはレンタルレコード店で借りるしか術はなく、それを誰かと貸し借りする事のすさまじい経済的メリット。自然と借りてきた貴重なレコードを一緒に聴くという事にもなる流れ。
風呂無しのアパートでお風呂は銭湯に行くしかない、隣の部屋の音は丸聴こえ、電話は付いていない家があっても珍しくない、アパートでは大家さん経由で電話をする。
それが「普通」でその時代の「最先端」、自然と「誰かと直接つながる」しか"選択肢"がなかった時代。そこにある「ロマン」。

現在の"東南アジア"が、デジタル的な文明はその当時の日本より発達しつつも その名残が今も残っている気がして、
ハーモニカ紳士が東南アジアに惹かれる理由の一つはそれなのかもしれません(直接つながるのが極度に苦手な性格だからこそ)。

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